南班。

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泣くな…泣くな私。 溜まった涙は過去を思い出させる。 マチガイはアヤマチになりカベを作る。 「おい。」 入り口に立つのは、少し息の上がった南さん。 「泣いてるのか?」 じりっとよってくる南さんに後退りをしてしまう。 「す、すみません!すみませっ…ひゃっ」 謝る私の腕をとった南さんの顔は何処か苦しそうで、ほらっと一粒の涙が頬を伝った。 「まだ。まだ大丈夫だから。」 頭の後ろに手を回されぐっと寄せられたのは、南さんの胸の中。 タバコの匂いと資料のインクの匂いそれに混じってかすかに匂うのは南さんの匂い。 どこかで…… 「大丈夫か?」 パラッと音もなく流れる涙を南さんの手が拭き取る。 「お前の所為じゃない。まだ……」 その続きをその自信の溢れた瞳で私を見て言って………。 「負けじゃない。」 じわっと滲み出る感覚は、体が覚えている。 「すみません…。私やらなきゃいけないことが!」 離れた体はアトリエに向かっていた。
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