灰風

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灰風

燃え盛る命を憑代に 黒き剣の集う野辺 許容の範疇 瞬時に飛び越え 喚くは斬撃と砲弾の怒号 現世(ウツシヨ)の地獄 神々も見棄てた地 業の掃き溜め 履き違えた誇りの墓場 寝物語に染み着いた 手垢塗れの怨憎の乱 剥き出す欲に味を占めた 老獪の蔓延る城の意の儘 興味本位の見物料は 好奇の目玉と その命 荒ぶる武人の魂も攫う 風が帯びるは灰の色 燃え落ちた砦の跡にも 逞しき草木は繁る 狂気の残骸 苗床として
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