仮説 寓話論 ver1,5

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仮説 寓話論 ver1,5

相反するものを羽に映し 無邪気な妖精が飛び立つ 茨の古城も 孤独な塔も 待ち望んだ結末は同じ 悪しき狼には制裁を 火の番も怠らないで 正直者の幸福を妬めば 吐き出す言葉は醜蛇と化すわ 宮廷の気高き薔薇は か弱き器を自ら曝す 苦難を乗り越えた乙女にこそ お決まりのfinaleはお似合い 童心の独裁者へと捧げる 林檎のお味は如何かしら? 魔女の呪いや 硝子の靴に 翻弄される王子様達 秒針に忠実な時計兎の口癖を 水銀に狂った帽子屋が嘲笑う 献身の燕も 泡沫の人魚も 隠した本質に問うているのよ 夜に花咲く疑心暗鬼に 操られた口が歌うものは何? 拍手喝采の観客も皆 甘美なる隙を狙ってる 創りものが支配する 夢物語の愚かなる虜囚 そう言って蔑む貴方の世界は 何に因って 築かれたのかしら? 意識の深奥に顎門を構える 不可侵の(アナタダケノ)寓話論を繙いたなら 違った眸に 出逢えたかもね 眠りに就くまで 語りましょう 世の暗部へと巧妙に手招く 先人達をも悩ませた 偉大なる愛の架空が織り成す理を
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