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黒花の証明
黒い百合を片手に進む
深く暗い森の中
胸の奥から取り出した
重い軛を置いて行く
宇宙色に染まった夜は
何時でも心の味方なの
上手に隠してくれるから
何処までだって冒険できるわ
恣(ホシイママ)を阻む何かの欠片に
躓いたなら それまでよ
安寧の内に住まうと言うなら
花を手折る事も許されはしない
真昼の生と朔月夜の死を
忌まわしくも懐かしい天秤に掛け
迫る時の神様に口付けを
綺麗な黒を携えて
終わりの知れる森を行く
流星群が落ちた海へと
嫌でも帰る日は訪れるわ
宇宙色に融ける胸中に
屈せぬ百合を咲かせましょう
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