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「ようようテメェ、よくもやってくれたなぁ」
連中の内の1人が話しかけてきた。
「あ~あ、せっかく面白いとこだったのに邪魔しやがって」
「でもまぁ残念だったな、ここまでだ」
全員が大和を見つめ、笑い声を堪えている。
「お前もバカだよな、ホームレスなんて庇って何がしてぇんだよ」
「あんな奴ら死んだって誰も困らねぇだろ」
「そうだそうだ」
「俺らゴミ掃除してただけだもんなぁ」
遂に全員がゲラゲラと笑いだした。
普通の正義感を持ち合わせている人間ならば、ここで激昂でもするのだろうが、この大和も例外ではなく、
「なんで俺、街に向かったんだっけ?」
……いや、例外であった。
彼は自身の目的を思いだしている真っ最中で、連中の話しなど全く聴いていなかったのだ。
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