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それしにてもこいつ大丈夫なんか?
俺がここに来て結構経ってるのにピクリとも動かないこいつ
まるで死んだみたいに眠っている
今のこいつの生の証しは規則的に聞こえる寝息だけだろう
俺はその場でしゃがんで目線をそいつの高さに合わせた
そして見てしまったんだ
そいつの閉じられた目から涙がこぼれたことを……
嫌な夢でもみたのだろうか
気づくと俺はそいつの身体を揺さぶっていた
「おいっ、おいって、起きろって」
ゆっくりとまぶたが持ち上がる
寝起きだからなのかまだ焦点が定まってない目が俺をとらえた
その瞬間首を横に振り出すそいつ
「…ゃ、ぃ…ゃ、いゃゃ…、嫌やってぇっ!!!!!!」
あからさまに拒絶して震えるそいつ
そう、何かに怯えるみたいに……
しばらくして俺らの場所の真上にある教室の窓が開いた
男「あっれぇ?あれ安田じゃね(笑)おい、おまえらアレもってこいよ!」
女「え、でも隣にいる人超カッコ良くない?むっちゃタイプなんですけどーっ」
「えーっ、ほんとじゃーん!この学校の人じゃんねー、じゃああたし狙っちゃおっかな♪」
そんな声が聞こえた、
鬱陶しい…
ここもまた結局そういう奴らの集まりだったんだ
そうおもっていると、突然顔にかかる水滴。
上から降ってくる笑い声
なにが起こったかだなんて俺にはよくわからなかった
目の前のずぶ濡れのやつを見るまでは……
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