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イズミはハッキリと断った。
「君はただの友人。君に答える筋合いは無い」
遥はムッとした。
それから彩葉に向かって、「僕がどんな男なのか、付き合いながらゆっくり見極めてくれればいいよ」と熱く見つめた。
イズミが先に帰り、二人になった彩葉と遥は話し合った。
「どうだった?」
彩葉は遥にイズミの印象を訊いた。
遥は大げさに顔をしかめた。
「あれはないわ~。絶対にやめたほうがいい」
遥の完全否定に彩葉は驚いた。
「え、どうして?あんなに素敵なのに」
「だから無しなのよ。あんなに顔が良くて、背も高くて、医者だなんて、絶対遊ばれるって」
「でも・・・」
「大体、ナンパじゃない。真面目な医者ならそんなことしないわよ。交際希望なら誰か紹介者をたてるとか、しかるべきルートを使って申し込むべきだわ」
声を掛けられて付き合うことはそんなにいけないことなのだろうか?
「しかるべきルートって何?私の背景を何も知らないのだから仕方ないと思うけれど」
「医者と看護師なのだから探せばあるはずよ。彼はそれを省いたのよ。どうしてそうするか分からないの?散々遊んで飽きたらすぐ捨てられるようにするためよ。そうされない為にも社会的地位のある紹介者が必要なのよ」
どうして遊んで捨てられる前提になるのだろうか?
自分はそんなに魅力が無いのか。
彩葉はちょっと悲しくなった。
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