◇ 樋口と舞子のおまけ話

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樋口も舞子と離れて入院している間にいろいろ考えた。 舞子がそばにいる日常が当たり前になっていたが、しばらく顔を見ないでいたら、寂しくなった。 同棲する前は毎日逢いたくて、空いた時間を見つけては、舞子の家に行ったことを思い出した。 一緒に暮らす中でいつの間にかその気持ちを忘れて、二人の関係をおざなりにしていた。 今回舞子が別れを疑った原因は自分にある。 イズミの言葉を思い出した。 ― 交際は今日逢いたい、明日逢いたいという気持ちの積み重ね。逢いたくないと思ったら、それが別れだ。 『それがこれなのか』 樋口はようやくイズミの言葉を心で理解した。 浮ついた気持ちが自分にもあった。 舞子を安心させる為に自分が出来ることはなんだろう。
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