125人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、また明日ね」
帰ろうとした舞子に樋口は何か呟いた。
「・・・しよう」
「え?」
聞き取れなかった舞子は何を言われたのかと振り向いた。
「何か言った?」
「結婚しよう」
「ええ!?」
こんなところでプロポーズされるとは夢にも思わなかった舞子は驚いた。
口を開けて唖然としている舞子を見た樋口は、信じてもらえないのかと思った。
もう一押し必要のようだ。
「結婚して、一生一緒にいよう」
樋口は本気だとようやく舞子は分かった。
「うん!」
舞子は嬉しさがこみ上げてきた。
同時に目から涙がドンドン溢れて、拭いても拭いても拭ききれず、やがて「ウッ、ウッ」と嗚咽がでた。
衝動的にプロポーズしてしまったが、泣くほど喜ばれるとは思わなかった。
でも舞子が喜んで受け入れてくれて良かったと樋口は思った。
「でもプロポーズは改めてお願いするわ。ここでは何かのついでみたいだもの」
舞子は泣いて喜んでいるのにダメだしした。
樋口は2度も言いたくなかったが、この後彩葉と遥の事で揉めた為、結局婚約指輪と花束を用意して、プロポーズのやり直しをする羽目となった。
最初のコメントを投稿しよう!