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部屋へ入ると、子猫がニャーと出迎えてくれた。
イズミは猫を飼っている。
友人の脇田がくれた、この春生まれたばかりの子猫だ。
一ヶ月ほど前、脇田が、「飼い猫が子どもを生んだので一匹あげるよ」と、イズミのマンションへ突然持ってきた。
イズミは、「一人暮らしで忙しい身なのに、猫なんか飼えない」と、最初は断っていたのだが、半ば強引に、「お試しで一週間だけ預かってくれればいいから。一週間たったら引取りに来るから」と、無理やり押し付けられた。
イズミはまいったなと思いながらも、猫の餌やトイレを用意した。
生き物を飼う以上責任はある。結構真面目に世話をした。
いやいやだったが、飼いだしてみると、猫はふにゃふにゃして仕草も愛らしく、見ていると癒された。
イズミによく懐(なつ)いて付きまとってくる。
かわいかった。
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