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「明かりだ。抜けるみたいだ。」
剣士のマイクを前列、魔法使いのケビンを後列に置いた布陣でダンジョンへと侵入した二人は目を丸くした。
山の麓にあったダンジョンに侵入するとそこは木の生い茂る森だった。初めてダンジョンに侵入したマイクの頭に不安が過るが、好奇心がそれを勝った。
「凄い……。これが、ダンジョン……。」
「ぼさっとするな。……来たぞ。」
いち早く冷静さを取り戻したケビンに諭され気を引き締めるマイク。そんな二人の前に現れたのは黒い大型犬の様な黒い獣ーーブレイズだ。それも三体。
「ちっ、厄介な。」
マイクとケビンを威嚇するブレイズに舌打ち悪態をつくケビン。ブレイズは群れを成し敵を襲う習性があることから、まだ居ると判断。
「マイク、僕が魔法で奴らを分断させる。その隙に仕留めろ。」
マイクの返事も待たずケビンは前方に30センチ程の炎球を放った。炎球はブレイズの群れの真ん中を撃ち抜き、二体と一体に分断させる。
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