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"何か"を投げられたが反応し切れず当たってしまう。粘着性のある木の実だろうか、果汁が服に染みる。ケビンはそれを気にも留めず魔法を放とうとするが、しかし。
「っっっ!!カカツの実かっ!!」
服に当たったのはカカツの実。外側を丸ごと焼けばまるで芋の様な甘みと食感を味わえる木の実だが、焼かないとどうなるのか。
それは、強烈な"汚物臭"を辺りに撒き散らすある意味で最悪の木の実だ。
その強烈な"汚物臭"により集中力が乱れる。魔法を使役するのに集中力が必要な魔法使いにとって、この臭いは致命的だ。
「っ!?っっっコボルト風情がぁぁあああ!!!!」
集中力を乱した隙にコボルトの棍棒による打撃を喰らう。転がりながらも、漸く魔法を完成させ、コボルトを丸焼きにする。
「っだ、大丈夫か?!」
ブレイズに連続で攻められているマイクはケビンへ声をかけた。
「っ大丈夫だ!僕より自分の心配をしろっ!」
左手で鼻を摘んだまま杖を構える。そして魔法を完成させ放つも当たらない。コボルトは腰の袋からもう一つカカツの実を取り出す。
それを今度はマイクに投げつける。ブレイズの相手に一杯一杯だったマイクはそれを避けれる筈もなく、"汚物臭"を身に纏う。
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