桜舞い散る青空

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入学式開始時間に間に合うギリギリの電車に飛び乗った。 車内は、割と空いていて、あちらこちらに空席があった。 千尋は適当に空いている近くのシートに腰掛けた。 パッと目の前を見ると、向かいのシートに同じ高校の制服の男の子が居眠りをして座っていた。 制服やローファーの感じからして、おそらく千尋と同じ新入生だろう。 新入生の割には、制服を着崩していて、チャラそう…千尋の苦手なタイプだ…。 何だか気まずい感じがした千尋は、彼が目を覚ます前に席を移ろうとした時… 彼は目を覚まし、まっすぐに千尋を見つめた。 目があった瞬間、《ドキッ》気まずさから千尋は、すかさず目をそらす… ‘うわっ、起きた!しかも、目、合っちゃったよ’ 下を向いてモゾモゾしていたが、どうにも気になって仕方ない。 怖い物見たさなのだろうか、もう一度、ふと顔を上げる… すると、にっこりと微笑んでこちらを見ていた、彼。 ‘見なきゃ良かった~’と心の中で呟き、視線を外せないでいると、 電車は目的の駅に到着した。 ようやく視線を外し、腰をあげ、扉が開くのを待つ。 彼も私の後ろに立っているようだ。 背後からの視線が気にはなったが、平静を装う千尋。
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