4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そっか。
明日からの仮入部次第ってことだね。
柚菜はまた吹奏楽部かなー?
…私、演奏以外に取り柄ないから」
そう言って柚菜ちゃんは、笑った。
“そんなことないよ”
私はその一言ですら、言うことが出来なかった。
なぜなら、私は柚菜ちゃんのことを何も知らないから。
今日初めて会った私たち。
そこまで踏み込むには、まだ距離は詰まっていない。
そんな私の言葉なんて、表面上を取り繕うだけのただの「セリフ」だ。
なら今は。
……、何も言わないほうがいい。
「……、帰ろう?」
「うん。」
柚菜ちゃんの意見に反論はなく、一緒に学校を出た。
最初のコメントを投稿しよう!