* episode01 *

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「そっか。 明日からの仮入部次第ってことだね。 柚菜はまた吹奏楽部かなー? …私、演奏以外に取り柄ないから」 そう言って柚菜ちゃんは、笑った。 “そんなことないよ” 私はその一言ですら、言うことが出来なかった。 なぜなら、私は柚菜ちゃんのことを何も知らないから。 今日初めて会った私たち。 そこまで踏み込むには、まだ距離は詰まっていない。 そんな私の言葉なんて、表面上を取り繕うだけのただの「セリフ」だ。 なら今は。 ……、何も言わないほうがいい。 「……、帰ろう?」 「うん。」 柚菜ちゃんの意見に反論はなく、一緒に学校を出た。
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