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第一章タイトル
「・・・ずっとあなたのことが好きでした。よかったら付き合ってもらえませんか?」
・・・俺・・水瀬(みなせ)雄(ゆう)二(じ)は告白された。それも放課後の、学校の屋上というなんともベタなシチュエーションで。相手の女生徒・・周防(すおう)美咲(みさき)は身長は俺の肩ぐらい、きれいな黒髪が腰のあたりまで伸びていて性格もおしとやか。まるでもう絶滅危惧種に認定してもいいのではないかと思っているまさに『大和撫子』を絵に描いたかのような女性だ。
そんな女の子に顔を真っ赤に染めながら告白されて万が一、いや億が一にも断ってしまう奴がこの世にいるのならそいつはホモかどうしようもない馬鹿ぐらいだ。
まあ・・・
「・・・ごめんなさい。」
「えっ・・・」
俺は後者の方だったりするんだけど。
だってそうだろ?むこうは学校のマドンナ。かたやこっちはどこにでもいる普通の高校2年生。君と俺とじゃあとてもじゃないけど釣り合わない。
それに俺は君(・)と(・)付き合う(・・・・)資格(・・)なんて(・・・)ない(・・)。
だって俺は・・・。
~第1章~
みなさんはある日空から美少女が落ちてこないかなぁ~とか、突然学校にテロリストが襲ってこないかなぁ~などということを考えたことはないだろうか?俺はない。いやマジで。だってもし女の子が空から落ちてこようならば絶対にめんどくさいことになるだろうし、もしテロリストが学校を襲おうものならばびっくりしすぎて失禁してしまうかもしれないんだぞ?俺はクラスメイトにそんな人生の汚点になるだろう姿を絶対にみせたくないね。そんな俺は裏では悪人をたおすエージェント・・・ってわけでもないただの高校2年生なんだけどね。
・ ・ ・
「おい、雄二!聞いたかあの話!!。」
俺が教室に入るとクラスメイトの森(もり) 智也(ともや)が暑苦しく話しかけてきた。
「耳元で話すな、うっとうしい。」
「おっと、すまねえ。それよりも聞いたかあの話を。」
「なにがだよ?どうせ松下(まつした)の胸が大きくなってないかだとか、石丸(いしまる)のツンデレっぷりが素晴らしいだとかそんなくだらない話だろ?」
「その話はまたこんどゆっく・・・グハア!!」
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