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「実は、僕のせいでこの子の学生カバンが壊れちゃって、直してもらえないかと思って」
すまなそうに眉を下げながらそう言ったシンに、樹利は「ああ」と頷き、
「見せて?」
と手を伸ばした。
うわぁ、やっぱり、日本語上手なんだ。
そんなことを思いながら、美咲はオズオズと学生カバンを差し出した。
樹利は取れた取っ手を眺め、「うん」と笑みを見せた。
「これなら、すぐ直せるよ」
「ほ、本当ですか?良かったぁ」
お母さんに怒られなくて済む。
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