第6章 『天使の生活』

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「そ、そんなことできるの?」 「いや、出来ないんだけどね。 『自分の年齢を忘れて、とにかく楽しく毎日を過ごしていると全然年取らない』って言ってて、実際あの通り若いから」 「自分の年齢を忘れる?」 「うん、『自分は今、何歳だ』って意識をしたら、そのイメージする年齢の姿形になるから、そういう概念を捨ててることが大事だって言ってたよ。 樹利さんに至っては『気持ちは30歳のまま』って言ってる」 「どうして30歳?」 「この洋館に住んだ年齢が30歳で、一番充実できた年なんだって。 それまでNYでバタバタと仕事をしていたり、フィレンツェに勉強に行ったりしてて忙しくしてたみたいだけど、この洋館に移り住んだ年が本当に幸せを実感できて楽しかったから、この年から齢を取るのをやめたって言ってた」
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