赤い服の少女

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私は、いつしか赤い服の女の子が公園に来るのが待ち遠しくなっていた。 2~3日に一度は女の子は現れた。 今度来たら声をかけようと、私は女の子が来る日を待っていた。 そして、ついにその日がやってきた。 初めて彼女とあった日と同じように、私が一人で砂遊びをしていると、キィ、キィとブランコの揺れる音がした。 ハッとして顔を上げると、あの日と同じように、ややうつむき加減に女の子が赤い服を着てブランコに乗っていた。 よし!今だ! と、私は砂場セットを置くと、ゆっくりと女の子のほうへ歩み寄った。 初めて知らない子に話しかける私は、すごくドキドキしていた。ゆっくりゆっくり、女の子へ歩み寄る。 女の子は私に気付かないのか、うつむいたまま相変わらずブランコを揺らしている。 そして、女の子のすぐ近くまで来た私は 「あの・・・。」 と小さく声をかけた。 私の声に女の子の動きが止まり、ゆっくりと顔をあげた。 私は、その時初めて女の子の顔を見た。 ・・・はずだった。 不思議なことに、それからの記憶がなく、その後の記憶は母が半泣きの表情で必死に私の名前を呼んでいるところだった。 いったい何があったのか覚えていないのだが、私はブランコの前で倒れていたのだった。 いつまでも帰ってこない私を心配して母が探しにきて、倒れている私を発見したとのことだった。 目を覚ました私を母は強く抱きしめ、何度も「良かった!気がついて良かった!」とワンワン泣いていたのを覚えている。 母に何があったのかを聞かれ、私は正直に赤い服の女の子のことを話した。 するとみるみる母の表情が青ざめ、すぐに家へと連れ戻され、そして二度と公園へは行くなときつく言われた。 なぜそんなことを言うのかと、私は不思議に思い何度も聞いてみたのだが、母はそれ以上何も言わなかった。
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