赤い服の少女

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少女の顔が見えそうになったとき 「やめて!!!」 と私は思わず叫んでいた。その言葉と同時に、ふっと身体が軽くなったのが分かった。 私は少女からさっと視線を外すと一目散にそこから駆け出した。 後ろから何かが追いかけてくる気配を感じ、振り返らずがむしゃらに友達の家へと走った。 こんなときに限って道には人一人いなかった。 一刻も早く友達の家へつきたいと走っていた私だったが、たどり着く前に体力がなくなり、次第にスピードが落ちていった。 友達の家のすぐ近くまで来たとき、いつの間にか追いかけてきているような気配はなくなっていて、ここまで来れば大丈夫だろうと、私は走るのをやめた。 もう、そこの曲がり角を曲がれば友達の家はすぐそこだ。 公園からももうだいぶ離れた。あれだけ走ったし、さすがにもうついてきたりはしてないだろう。 一安心し、私は大きく息をついた。 だが、それは一時の安心だった。 もうすぐ曲がり角だという時に、背後からものすごい悪寒を感じた。 それは一瞬で私を恐怖で包み込み、再び私の足が止まった。 冷や汗が出るのが分かった。 絶対に振り向いてはいけないと、何かが私へと警告している。 走り出すこともできず、ゆっくりゆっくりと歩みを進めた。 何者かの気配がゆっくりと私のほうへと近づいてくるのが分かった。その距離はどんどん近づいてくる。 やがてその気配が私の背後にぴったりとくっついたのが分かった。 ついに私は歩くことができなくなり、歩みを止めた。 その直後だった。 何者が私の肩へと手をかけ、その手がゆっくりと私の首へと絡んでくるのが分かった。 恐る恐る首元へと視線を移すと、白い細長い手が私の首へと絡んでいた。まるで私へしがみついているようだった。 そして、黒い頭が私の左肩からゆっくりと私の視界へと入ってくる。 私の顔を覗き込もうといているのが分かった。 見てはいけないと直感し、思わず慌てて視線を正面へと向ける。 振り払って逃げたいのに、身体が全く動かない。 やがて、耳元で 『・・・やっと・・・つかまえた・・・。』 と女の人の声がした。
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