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その声に私の恐怖心は一気に増した。
けれども動くことがままならない。
震えが止まらない。
いつしか涙が頬を伝っていた。
(怖い、怖い、怖い・・・!!!)
私は友達に助けをもとめようと、ふと友達の家へと続く曲がり角へ視線を移した。
そこで私は自分の目を疑った。
その曲がり角に赤い服の少女が立っているのだ。
少女はこちらを思いっきりにらんでいる。
だが、少女があっちにいるということは・・・
私にしがみついているのは誰!!?
ますます私はパニックになった。
叫び声をあげたいのに、声が出ない。
走って逃げたいのに、身体が動かない。
私にしがみついている者が手に力を入れていくのが分かった。
同時に私の首がしまっていく。
(・・・く・・・苦しい・・・。)
(誰か・・・助けて・・・・・・。)
私は必死で誰かに助けを求めようと
「たす・・・けて・・・」
と小さく声を出した。
その直後だった。
曲がり角にいた赤い服の少女が私のほうをにらみつけたままゆっくりとこちらへと近づいてきた。
ますます私の恐怖心が増していく。
「いや・・・だ・・・。来ない・・・で・・・。」
涙がポタポタと流れている。
背後の者は、どんどんと私の首を絞めていく。
耳元でかすかに笑っているのが聞こえる。
歩み寄ってくる少女への恐怖心から、私は思わず顔をそらした。
だが、その行動が良くなかった。
顔をそらした先に、私へしがみついている者の顔があったのだった。
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