赤い服の少女

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少女の手元が光りだしたとき、女の霊の動きが止まり、先ほどの怒りに満ちた表情から一変、恐怖の表情に変わっていった。 『やめろ・・・やめろ・・・やめろぉぉぉ!!離せ小娘!!』 逃げようともがいているようだが、身体が動かないようだった。 『私を怒らせた・・・。あの子に手を出すなと何度も忠告した・・・。お前は、許さない!!』 少女がそういうと、手の光が強くなった。 ぎゃぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!! 耳を劈くような悲鳴の後、女の霊は消えてしまったのだった。 目の前で起きた光景が信じられず、私は地面に座り込んだままぽかんとしていた。 ふいに、赤い服の少女が私のほうへと振り返った。 思わず身構える私。 けれども、振り返った少女の顔を見た途端、私の力が抜けていくのが分かった。 少女は先ほどとは打って変わって、とても優しい顔をしていた。 『間に合ってよかった・・・。』 「え・・・?」 『弥生が助けを求めてくれた。だから私は動けた。』 「え・・・?どうして、私の名前を知ってるの・・・?」 『・・・覚えてないんだね・・・。まだ弥生は赤ちゃんだったからね・・・。』 そういって少女は笑った。 『弥生。あの女はね、ずっと弥生を狙っていたんだよ。・・・私の時と同じようにね・・・。』 ふっと、悲しそうな顔で少女が言った。 「どういう・・・こと・・・?」 『あの公園に、あの女はずっといた。一人で遊びに来ている弥生を殺そうと、いつもその機会をうかがっていた。でも、私がいたから・・・。だから何もできなかったの。今日、弥生が公園に来たとき、あの女は最後のチャンスだと弥生の後ろからついていった。私は慌てて後を追いかけたんだけど、弥生が私を拒絶したから私は近づけなかった。』 「あ・・・。だって、私、あなたが怖くて・・・。」 『うん・・・。知ってる・・・。弥生は悪くない。でも、弥生が助けを求めてくれたから、私は弥生へ近づけた。』 「私、あなたに助けを求めたわけじゃ・・・。」 『分かってるよ。でも、誰かに助けて欲しいって、思ってくれたから・・・。』 「あなたは・・・どうして私を守ろうとしてくれたの?」 『・・・だって、私は・・・。』
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