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しばらく歩くと男の足が止まった。 男が照らす懐中電灯の先に、古びた文字で『音楽室』と書かれている。 「入って」 男は懐中電灯を女に渡すと、ドアを開けた。 「本当に、昔っから融通が利かないんだから」 「――へっ!?何か言った?」 「ううん。何でもない」 女はそう言うと、ゆっくりと音楽室に入っていく。
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