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ぱち、パチパチ
まばたきを三回。
「まぶし………、どこ?」
美月が目覚めたのは、すべてが白く染められた部屋のなか。
ただし、家具の類いはなく、床と壁があるだけだ。
「私…死んだ、の?」
あれぇ?と首をかしげるがふと、アクビをする。
「ふぁぁ~………そんなことより、眠い。」
…眠気が疑問の優先順位を越えたようだ。
もう一度寝ようとして、ペチペチとおもむろに床を叩く。
「………むぅ。床、硬い…」
これじゃ、二度寝もできない…とぼやくと、何処からか声がした。
「待った待った待った!!二度寝ってなんですか、二度寝って!」
……訂正、ツッコミが入った。
どこから出てきたのか、金髪碧眼の、羽のはえた美形が現れる。
(……羽=もふもふ?)
「…………………」ジィーーー
「な、なんですか?あなたも私を責めるんですか!?」
無表情に見つめられて焦ったのか、翼をはためかせて喚いてる。
(動く=生きてる=あったか…)
「そりゃ前回の失敗と同じことしましたよ!学習してませんよ!だから転生をさせるんです!!それに今回は頼まれて!」
誰も聞いてないのに自分から白状していく美形、もとい神。
実は人間を転生させるのは2度目だったりして、前回の転生者がトラウマを作っていたのだ。
そんな神様の発言なんて何のその。
彼女は自分の欲望に従うことを決めた。
「ねぇ」
「ハッ!!!いや、あの、その…ごめんなさい!!」
神様が土下座をして、何でもするから!!と言いそうになっていると
「羽よこせ。」
と、言われた。
「はい!!…はい?!!」
驚愕で口が開きっぱなしの神を見て、美月は不機嫌そうに顔を歪める。
「くれないなら、むし「はい!!一枚でいいですか!?」…そうじゃない。」
ゆらりと立ち上がり、いまだ正座している神様に近づく。
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