コンセントの奥

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美紀は絶対に近寄ってはいけないとわかっていつつも、確かめずにはいられなかった。 音の正体は何なのか。唇をかみしめ、少しずつ壁に近づく。 あと、一歩というところで足がすくんで動かない。震える足でカバーを蹴った。壁に空いた小さな穴から赤と白のコードがのぞいている。その奥から白いコードの塊が…いや目玉が手前に転がり出た。 「いやああ!!」 その目は誰かを探すように動き…ぎろり。確かに美紀を見た。咄嗟にカバーを蹴った美紀は勢いで転んでしまった。 そして突然教室の電気が消え、真っ暗になった。美紀は叫びながら訳も分からず後ずさりし、何かにぶつかり、また悲鳴をあげた。 「うわあ!」 「美紀先輩?!大丈夫ですか?!」 僕です、優介ですと言う声に美紀はすがりついた。 「た、助けて…」 「帰ろうと思ったら教室の電気がついてたから…」 ほっとした。優介君の腕につかまって安心した。
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