コンセントの奥

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鈍い音がした。 やっと少し目が慣れてきた暗闇の中で優介君の体が美紀の方に倒れてくる。 「優介君?!」 「…浮気者」 優介君の体の向こう側からぬっと人影が現れた。 「だ、誰?」 女の声だった。美紀の頭を死んだ女子生徒のことがよぎる。衣擦れの音がした。 「私だよ」 「友、香」 暗くてはっきりしないが、黒い長い髪、知ってる声。なのに知らない人みたいに見える。 どうして、とかろうじて口にできたかどうか。 美紀ってばずるいんだもん。友香はすねるような口調で話しだした。 「優介君、私のことが好きだと思ってたのに」 「この前だって」 あたしが怖がって教室を出て行った後、優介君はあたしを追いかけようとしてくれてたんだよ?それなのに美紀ったら仲良く話し込んじゃうんだもん。 ふふっと友香は笑った。でも、もういいんだ。
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