コンセントの奥

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「ほらね」 美紀はほうきで机の周りを掃きながら笑った。演劇部のヒロイン担当、友香は美人だが気が短い。 「美紀先輩の言った通りですね」 「あら、ちょっとあたしを馬鹿にしてない?」 してないですよーと否定しながらCDを入れたのは、貴重な男子部員の優介君だ。 「みんなが来る前に一回練習しましょうよ」 今年の文化祭ではメインステージで部活の紹介をする。長い時間は取れないから、人気のアイドルグループのダンスを披露して、短い劇をする予定だ。 「じゃあ机動かそう」 練習するスペースを作るために古びた机を端に寄せる。いつ頃から使われていない教室なのか、机の足には錆びが浮き、触って持ち上げるとざらりと嫌な感触がした。 「きゃ!!」 先に机を動かしていた友香の体がふいに揺れた。 「危ない!」 優介君が間一髪、友香の腕をつかんだおかけでバランスを取り戻したようだ。 「ごめん、なんか踏んだ…」
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