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「ステージの電気系統を担当してたっていうと…もしかして演劇部の子だった?」
確かに聞いたことがあった。以前は演劇部が担当していたけど、事故があって業者に頼むようになったのだと。
「まあ、それはわからないんですけどね」
優介君は続けた。
「でもそれ以降、死んだその子が演劇部に出るんだって。だから…」部員が減って、今の弱小演劇部になった、と。そんな話を聞いた後だったなら、悪い夢を見ても仕方ない。
「私も夢に出てきそうだよ…」
美紀はため息をついた。優介君が心配そうにこちらを覗き込んでくる。
「大丈夫ですよ!もし幽霊が出たら…僕が退治してあげますから」
優介君みたいにかわいい男の子じゃあちょっと頼りない。けど励ましてくれているのは伝わってきた。
「よし!じゃあ泊まり込み合宿するか!」
美紀が気合いを入れると、やめてくださいよーと優介君が笑う。
そんな様子を見ている目があったなんて気づくはずがない。
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