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ー少年sideー
おはようございますこんにちはこんばんは。
「確かに、俺は人とは違うかもしれません。でも・・・それがどうかしたのか?」
朝からキレ気味で穏やかな猫っ被りをだだ崩しの咲谷 仍綺(サキタニナオキ)だ。
っていうか、ファルさんが怯えたようにして下をうつむくのを見て、もう怒りを通り越して呆れてきた・・・
あ、因みにこの人、実は最近入ってきた俺専用の執事。
この章で出番なくなる予定だけど、一応聞いてね?
眼鏡かけてて優しいから、はたからみたらいい人。
でもちょっと欠点があって・・・
命令すれば動いてくれるんだけど、それ以外は必要最低限の事だけしかやらない。
指導すればいい人材になるのかと聞かれても、俺は即答でいいえと笑顔で答えられる。
きっと今引き止めるのも、俺がここを出れば自分も追い出されるからで、主人の忠誠に誓うとかそんなカッコいいものじゃなくて、お金だと思う。
だってこの前部屋にいったら札束数えてたし←
そう思っている間も言葉を詰まらせたまま、追いかけてくるファル。
お金の執着心は怖いね・・・ファルの頭を写したら、仕事3:お金5:プライド2だと思う。
そんな執事のことは形振り構わず、さっきからずっと目指していた書斎の大きな扉の前に立ち止まり、コンコンコンと軽くノックする。
「叔父さん、開けます。」
そう言った後、書斎の奥から嬉々とした「どうぞ」と聞こえたのを確認し、ドアを開ける。
すると、もう三十路とは思えないくらいイケメンな叔父さん、咲谷 永派(36)が目をキラキラさせて「仍!」と言いながら僕をギュッと抱き締める。
「ぅっく・・・暫く、でしたね。」
「うん♪」
正直・・・少し苦しかったけど、こんな僕を引き取ってくれたんだし、あえて何も口にしないでおく。
「仍!僕、報告があるんだ!・・・でも、仍もここにきたんだったらなんかあるよね?」
そう言って首を傾げる叔父さんをそっと離しながら首を横に振る。
「ううん、叔父さんから話して下さい。僕はそのあとに言います。」
「分かった。じゃあ単刀直入に言うね?」
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