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ー咲谷永派(サキタニエイハ)sideー
仍「じゃあ準備してきます。」
そう言って辺りが仍綺色に染められそうなくらいの綺麗な微笑で笑いかけて出て行く。
甥がゆえの可愛さ・・・っていうのもあるけど、執事も真っ赤だから全国共通だと思う。
いやぁ・・・学園にいったらネコかタチかが楽し(ryゲフンゲフン!
失礼。気づいてると思うけど、僕は腐男子だからね。
でもでも!
仍綺は自分の子供みたいに溺愛するくらい好きだけど、やっぱり腐に巻き込まれてもいいと思うんだ!
ほら、可愛い子には旅をさせよっていうことわざがあるじゃん?
あれだよ!←無関係だ。
これを燐に言ったら潰されるな、絶対。
・・・とりあえず、執事と話そう。
永「えっと・・・ファル、だっけ?仍のこと、どうして否定したの?」
ファ「っ!・・・なぜわかったのですか?」
わぁ、素直。
永「ここにくるまでに僕には聴こえちゃったから。ほら、僕も『普通の人』じゃないし。」
ファ「・・・。」
永「あってるから、それは黙らなくっていいよ。・・・でも、一つだけ聞くね?・・・ファルは、僕達の屋敷に就いて、どう思う?あと、仍綺を引き止めた理由も教えて?」
すると、ファルはゆっくり話始めた。
ファ「・・・ぼ、くは・・・正直言って怖かったです。ここに配属を命じられた際、日本人の方がオーナーの館ということしか聞かされていませんでした。だから、『ヴァンパイアと人の血を合わせ持つ』方と聞いて、耳を疑いました。慌てて幹部に断るというのを伝えると、お金で誘惑されました。」
永「・・・ふぅん。」
ファ「それに、乗ってしまったのです。今もそれは継続されていて、担当がなくなれば僕は会社からも外され兼ねません。だから、仍綺さんの担当である僕は、外されてしまいそうで、お金もなくなってしまいそうで・・・」
今にも消え入りそうな声のファルに、僕はふっと微笑む。
永「じゃあ、ここに残って僕に就いていいよ。」
ファ「!いいのですか・・・?こんな若者を・・・」
永「僕がいいといったらいいんだよ。わかった?」
そう言って再び笑いかけると、ファルはパッと表情を明るくして「ありがとうございます!」と頭を下げている。
めでたし、めでたしだね♪
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