大学卒業?気にするな。

7/10
前へ
/33ページ
次へ
仍「こんなもんか・・・」 大体調べ終わって欠伸し、制服に着替えようかと立ち上がる。 仍「ん?これは・・・」 ふと、鏡台の前に置いてある髪染めスプレーとカラコン、青フレームのダテ眼鏡が目に付いて手に取る。 髪染めの色もカラコンの色も黒。 日本人の優等生みたいな格好になるな、これ・・・ っていうか、絶対になる。 そしてそれを狙ってる人が・・・ 永「なーお♪」 仍「あぁ、叔父さん。どうしたの?」 ちょっとびっくりしたけど、叔父さんだったから少し安心。 ・・・ん? 犯人この人じゃない・・・? あぁっ!!絶対そうだ!この微笑みには何か確信が持てる!! 永「伯父さん、これ・・・とそれはなに?」 これ、と言うのは言うまでもなくスプレー。それ、と言うのはカメラ。 いや絶対カメラの必要性ゼロでしょ! 永「ん?ナオの変装セットとナオの優等生キャラを収めるカメラだよっ!」 仍「うんカメラ必要ないよね。」 予想通りぜんっぜん必要なーし。 ってわけで窓の外にカメラをぶん投げた。 永「ちぇー・・・あ!ナオ、髪の毛とかやってあげるから座って?」 仍「僕を優等生キャラにしたいのかな?」 永「あ、ナオが僕って言った(笑)まぁ、とりあえずだよ!」 伯父さんが引いてくれた椅子に座る。否、座らせられる。 永「まず髪の毛切ろっか。最近忙しくて切ってあげれなかったから・・・伸びちゃってる。」 確かに伸びすぎとも言えるくらい結わえてある後ろ髪を撫でる。 髪の毛はいつも伯父さんに切ってもらってるから、半年くらい放置されてずいぶん伸びた。 永「じゃあバッサリ切るね。」 仍「はぁ・・・じゃあお願い。」 叔父さんがどこからかハサミを取り出して手際良く切って行く。 ヘアスタイリストになれそうだよ、叔父さん。 永「・・・ねぇナオ。」 切り始めて数分後、チョキチョキという音の中、不意に伯父さんが喋りかける。 仍「なに?」 永「日本に行くには、やっぱり今より魔力を抑える・・・というか、別に移さなきゃだめなんだ。他の人が圧迫されちゃうかもだし・・・」 全てが急だね・・・ でも、それは知ってる。 今まで日本に行かなかった理由の一つと言っていい。 でも、今回はそれを承知の上で行くことを望んだんだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加