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仍「こんなもんか・・・」
大体調べ終わって欠伸し、制服に着替えようかと立ち上がる。
仍「ん?これは・・・」
ふと、鏡台の前に置いてある髪染めスプレーとカラコン、青フレームのダテ眼鏡が目に付いて手に取る。
髪染めの色もカラコンの色も黒。
日本人の優等生みたいな格好になるな、これ・・・
っていうか、絶対になる。
そしてそれを狙ってる人が・・・
永「なーお♪」
仍「あぁ、叔父さん。どうしたの?」
ちょっとびっくりしたけど、叔父さんだったから少し安心。
・・・ん?
犯人この人じゃない・・・?
あぁっ!!絶対そうだ!この微笑みには何か確信が持てる!!
永「伯父さん、これ・・・とそれはなに?」
これ、と言うのは言うまでもなくスプレー。それ、と言うのはカメラ。
いや絶対カメラの必要性ゼロでしょ!
永「ん?ナオの変装セットとナオの優等生キャラを収めるカメラだよっ!」
仍「うんカメラ必要ないよね。」
予想通りぜんっぜん必要なーし。
ってわけで窓の外にカメラをぶん投げた。
永「ちぇー・・・あ!ナオ、髪の毛とかやってあげるから座って?」
仍「僕を優等生キャラにしたいのかな?」
永「あ、ナオが僕って言った(笑)まぁ、とりあえずだよ!」
伯父さんが引いてくれた椅子に座る。否、座らせられる。
永「まず髪の毛切ろっか。最近忙しくて切ってあげれなかったから・・・伸びちゃってる。」
確かに伸びすぎとも言えるくらい結わえてある後ろ髪を撫でる。
髪の毛はいつも伯父さんに切ってもらってるから、半年くらい放置されてずいぶん伸びた。
永「じゃあバッサリ切るね。」
仍「はぁ・・・じゃあお願い。」
叔父さんがどこからかハサミを取り出して手際良く切って行く。
ヘアスタイリストになれそうだよ、叔父さん。
永「・・・ねぇナオ。」
切り始めて数分後、チョキチョキという音の中、不意に伯父さんが喋りかける。
仍「なに?」
永「日本に行くには、やっぱり今より魔力を抑える・・・というか、別に移さなきゃだめなんだ。他の人が圧迫されちゃうかもだし・・・」
全てが急だね・・・
でも、それは知ってる。
今まで日本に行かなかった理由の一つと言っていい。
でも、今回はそれを承知の上で行くことを望んだんだ。
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