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私がヤツを虜にしてやると決意した翌日。
「おはようございます、草司さん」
登校直後、絡みたがる他の生徒をそっちのけてわざわざ後ろの席まで足を運んで挨拶をしてみる。
「え、あ、おはよう、南条さん」
宿題の手を止めて、一応こっちを見ながら挨拶を返してきた。が、
私が立ったまま挨拶してやってるってのに、普通は立つところでしょうがよ!…まぁ、コイツが普通じゃないのは周知の事実。こっからよ、こっから。
「どうかした?」
「いえ、あ、そうそう、私、昨日の話が気になってしまいまして」
「昨日の話っていうと…?」
「ほら、名字ではなくて名前で呼んでほしいっていう理由です」
スッ
加治屋の前の席の椅子を引いて腰をかける。
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