第三話 守りたい陽だまり

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 エレベーター事件の二日後、月曜日。  「草司さん、ちょっといいかしら?」    「おぉぉぉぉい!!また草司かよ!」  「なんだよアイツ何したら南条に話しかけられるんだよっ!」  「…羨ましい」  私はまたも、登校直後にあいつの席を訪れた。今朝も一生懸命に宿題に取り掛かっている。  が、以前までとは若干違う反応を示した。  「ぁ…南条、さん。どうかした?」  話しかけてきたのが私だと分かった途端、顔を赤らめて視線を逸らせた。  はぁ。先週までの私なら大変喜ぶところだけど、なんでこうなるか理由を知ってると全く喜べないわね。  「ええ。草司くん、ちょっと一緒に来ていただきたいのですが」  「え…」
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