第三話 守りたい陽だまり

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   「き、聞いたか、今の南条の言葉…」  「あ、ああ、聞いてしまった…。南条が、草司にちょっと来て、と…なんてこった南条に呼び出されるなんて光栄すぎるだろっ」  「…羨ましい」  周りの男子たちが羨ましがる中、こいつは・・・。  「ご、ごめん南条さん。今日もこの宿題一限までに終わらせなくちゃいけなくて、今席を立つわけにはいかないんだ…」  ちっ!反応が変わったから行けると思ったけど。まだ甘いようね。でも来てもらわないと私が困るのよっ!!  私は笑顔のまま、そっと草司の耳元に顔をよせた。  ビクッと草司の方が揺れたのが見えた。そして、  「いぃからついてきなさいヨッ…!」  言葉だけは素で言ってやった。  「は、はぃ…」
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