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ピアノを弾いているとき以上の、いや、今までに味わったことのないほどの大きな爽快感を、少女は確かに感じていた。
なんの拘束もなく、ただ思いのままに歌うことがこれほど素敵なものだったんだと、今になって気がついた。
それと同時に、この一週間重たくのしかかっていた責任とか怯えとかそういうものが体の奥からすーっと消えていくのも感じた。
“私だって、幸せとか喜び、感じていいんだよね……。”
……歌い終えると、少女は暫くその余韻に浸っていた。
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