終わりのほし

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少女はよく夢を見る。 冷たく渇いた風の中で身を丸めて見る夢は、いつも似たようなものだった。 音が聴こえるのだ。 それは彼女の中から響いている。 そしてその音は美しい音色を奏で、世界の隅々まで染み渡っていく。 少女は自分の声で、唄を歌うのだ。 夢の中の自分は世界中の何よりも壮麗で、自分の歌う唄は世界中の何よりも透き通った音色を奏でていた。
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