6人が本棚に入れています
本棚に追加
一人きりで迎える朝は、もう何度経験したか分からない。
少女は、自分が“寂しい”と感じていることに気づいていた。
しかし、始めから一人きりならば、寂しさなど感じないはずだ。
少女はずっと昔、この惑星に一人きりなどではなかった。
そして、この惑星自体、遥か昔はこんな殺風景な世界ではなかったのだ。
何もかもが満ち足りていて、数えきれない程の種類の生物が食物連鎖の中で生き死にしていた。
少女も、その世界で生きる一個体の生物だった。
ただそれだけのことのはずだった。
最初のコメントを投稿しよう!