99人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
頭の中でいろいろ考えていた、とき。
ガチャ、と玄関のほうから扉が開く音が聞こえてきた。
ダイニングを出てすぐに玄関に着くと、そこには、両手にビニール袋をぶらさげた、玲央の姿、が。
「玲央!どこに行ってたの?」
「悠、おはよう」
「……おはよう。もービックリしたぁ」
やっと玲央の姿が見れて、安心する。
そして玲央の足元からちょこ、と顔を出したレイ、にも。
「私、すごい寝てたんだね……。ごめん」
「何で、謝るの。寝顔、可愛かった」
……そう言って微笑む玲央も物凄く可愛いことを、君は知らないから言えるんだよ。
「それにしてもどうしたの?これ」
「買い物、してきた」
ダイニングに入ってすぐに、机の上に袋を置く。
その中身をそっと見て見ると、お菓子尽くし、だった。
「こんなにお菓子買ってきてどうすんのさ」
「食べる。悠も」
「いやいや、私はいらないよ」
「……何で」
拒否すると、すごく分かりやすい反応を見せる玲央に、思わず、苦笑。
「起きたばかりだから何も食べれないの。ごめんね。でも少しもらってってもいい?今度またみんなで集まるとき食べようよ」
「……ん」
ちょっと考えてから嬉しそうにうなずき、1袋を手渡された。
「え、こんなにいいの?」
「ん」
「ありがとう。じゃぁ今日はもう帰らなきゃ。残りのバスも少ないし」
「……バス停まで、送る」
「うん、ありがとう。じゃぁレイ、またね」
レイの頭を撫でると、「にゃぁ」と可愛らしい鳴き声を、返してくれた。
.
最初のコメントを投稿しよう!