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「神崎真知じゃん。 へー実物始めて見た」 学ブンの言葉に振り返る。 「学ブン、知ってんの?」 「ん?先週発売のst.に、読者モデルでデビューした人だよ。 益子(ましこ)さんがちょっと前にスカウトしたんだって。 何?チカちゃん気になるの?」 からかうような学ブンの口調に、わざと無表情で答える。 「いや。別に。 ただ珍しいタイプだなって思って」 「ああ、確かにね。 読者モデルにしては浮わついた感じないよね。 なんて言うか真面目そう? 俺たちの2つ年上でスゲー頭いいらしいよー。 頭のいい女を無理矢理調教するってのもなかなかオツだよね」 「……なるほど。 救いようのない変態だな」 学ブンのエロトークに軽蔑の眼差しを向けながら事務室へと入る。 スタイリッシュなシステムデスクが、島毎(しまごと)に並ぶ室内は、ほとんどの社員が出払っているのか、閑散(かんさん)としていたが、1ヶ所だけやたらと人口密度の高い場所があった。
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