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「お!もしかして蓮が来てるの?!」
学ブンの目が爛々と輝く。
人だかりに近づいていくと、女性モデルや事務員に取り囲まれた小さな男の子が、顔を上げて俺たちを見た。
白く柔らかな曲線を描く、すべすべの頬。
くるんとした睫毛に縁取られた、黒目がちの瞳。
形のいい鼻と、桜色の唇。
少し色素の薄い髪と目が、淡くその容姿を彩る。
まるで天使のような外見を持つ四歳児、浅倉蓮。
浅倉社長の息子で、ママたちに大人気の売れっ子キッズモデルだ。
「蓮ー!」
かなり意外なこと子供が大好きな学ブンは、特に彼の可愛らしさにゾッコンで、見つけると、抱っこしたい衝動を押さえられなくなるらしい。
一目散に蓮に向かって飛んでいく、エロ魔王を生暖かく見送る。
そっちの犯罪だけは犯さないでくれよと心から祈るばかりだ。
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