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「ねぇ、いいじゃんチカ。
そんなに真面目に考えなくてもさ」
鼻にかかった声が甘く誘う。
首に回るしなかやかな腕に軽く力がこもった。
押し付けられる肉感的な胸と、扇情的な細い腰。
「やめてくださいよ。
真希さん彼氏いるじゃないですか」
「えー。ナイショにしとけば平気だよ。
チカだって本当はあたしに興味あるんじゃない?」
上目使いの潤んだ目が挑発的に笑う。
グロスで濡れた、柔らかそうな唇が焦らすようにゆっくり近づいてきた。
「ねえ、今夜どう?」
耳元で囁かれて甘い息が、頬にかかる。
自分の魅力の引き出しかたや、見せ方をよく心得ている、
自信に満ち溢れた、狡猾的な女。
流石はプロのモデルってとこかな。
………なーんて、冷静でいれるほど、俺は大人じゃないんだって!
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