842人が本棚に入れています
本棚に追加
「すみません。
高山さん。ちょっと休憩下さい!」
ばっと彼女から顔を反らす。
片手をあげ、半分叫ぶようにそう言って、俺は無理やり彼女の腕をといた。
眩しいライトに照らされたスタジオ。
赤らんだ顔を腕で隠しながら、スタッフの間を抜い、一目散に駆け出す。
「あはは。チカは若いなー」
カメラマンの高山さんを含む大人たちの笑い声に、さらに追い討ちをかけられて、恥ずかしさに泣きたくなった。
廊下を猛ダッシュで走り、トイレの個室に駆け込んで、洋式の便器にヘナヘナと腰を下ろす。
最初のコメントを投稿しよう!