第二話

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Side.仁 「和?……寝てる…のか…」 髪をかきあげ軽く頭を撫でる 安心と後悔 …守れなかった。 無事とは言えないこの状況のなかで後悔の渦にのまれながら一人座り込んでいると章太君たちが入ってきた 「な…にが…」 あったの 驚愕を隠せない声音で問われる まあ…仕方ないよな。 催眠術強かったみたいだし。 「……紅蜥蜴…」 それだけ言うと全てを察したのか章太君はなにも言わずに和を部屋へと運んで行った 「仁…」 殴られる そう判断して目をつむったがおりてきたのは暖かく大きい手のひらと 「頑張ったね。ごめんね。ありがとう」 という 悟くんの優しい言葉だった 「俺…守れなかった」 無意識に呟いた言葉に涙が溢れ出る 「違うよ。」 優しい眼差しで微笑んでくれる悟くん 「…和が…傷ついてるの…みてるだけしかできなくて」 そう。 何一つ役にたてなかった 「…でも、追い払ってくれたんでしょ?」 ……… 「っ…悟くん…俺…和に…謝らなきゃ。約束守れなくてごめんって」 必ず守るって約束したのに 「それは俺らもだよ」 「そうそう。皆だよ」 「…」 悟くん…真樹… 「和は和で自分が不甲斐なかったって思ってるだろうし」 … 「和が起きたら謝ろうね!」「とびきり美味しい朝ご飯つくってさ!」 「起きるの朝かわからないよ」 「確かに」 「い、いいじゃん!ね!」 必死だな 「とりあえず。和んとこ行こうか。」 「章太くんと二人きりにさせたら危ないよね」 「あの人ヘタレだけど人一倍……」 人一倍…うん、とりあえず人一倍酷いんだ(あえて言わないでおこう。) 「じゃあ今日は皆和の部屋で寝よう!ね!布団持ってかなきゃ」 「章太君のもね」 「じゃあ俺水もってくね!のど乾いたら降りてくるの面倒だし」 面倒って……一理あるけど…絶対自分が面倒だからだよな。 まあいいか 「……ああ。」 「よろしくね。」 「了解!」 額に右手を掲げておどける真樹を一人残して俺と悟くんは自分の部屋へと向かった。
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