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The Biginning of Memory 「追憶の序章」
体を襲う激しい痛みと倦怠感。
俺は今窮地に立たされていた。
「クッ……!」
砂埃が立ち込め、破壊の意思を込めた鉄球が猛スピードで迫ってきた
その攻撃を間一髪で避ける。
そして俺はすぐさま近くにある鉄パイプを握り、渾身の力を込め相手に振り下ろした……………
はずだった……が、相手はそれを難なくかわし、軽快なステップを踏み、すぐさま俺の懐に入ったかと思うと、強烈なボディブローをかまして来た。
ドスっという鈍い音が響き渡り、俺はあまりの痛みにその場にうずくまった。
「クッソォォォ 痛え... 何なんだこの使えない能力! この世に神はいないのか?
俺の前世はどんな間違いをやらかしたんだ!?」
俺は自分の不幸を呪いながら、鉄パイプを地面に叩きつけた。
「カランコロン」と音を立て、転がってゆく鉄パイプを横目で見つつ、俺は己の無力さを実感した。
「なんだァお前、そんな使えない能力で俺に喧嘩売ってきやがったのか?思い上がってんじゃねえよ、
カス!」
ーこいつを打ち負かしたいー
だが、そんな意思とは裏腹に体が言うことを聞かない。
駄目だ......まるで歯が立たない……
内心そう思いつつも俺は自分を奮い立たせ、残った力を振り絞りなんとか立ち上がる...
「だがなぁ!俺はこんなところで倒れるわけには行かねえんだよ!...俺は柚子を………みんなを……絶対に助ける!手が折れようが、足が折れようが、この思いだけは絶対に折れない!!」
事の発端は三日前に遡る・・・・
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