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First Memory 「追憶の代償」
お兄ちゃ~ん 朝だよ~
コンコンとドアをノックする音が聞こえる。
その俺が人生で最も嫌いな音ベスト3には入るであろう音によって
俺は今日が月曜日だと再認識し憂鬱になった。
「ううん………あと五分……」
俺は布団にへばり付き少しばかりの抵抗をしてみせた……が 抵抗虚しく俺の布団は
対俺用強制覚醒装置 “妹” の手によって引き剥がされた。
お兄ちゃん? ……………お兄ちゃん!!!!
遅刻するよ!!!
「ああ~、はいはい」
俺は素早く飛び起き、お得意の早着替えですぐさま支度を済ませた。
「お兄ちゃ~ん…おはよう」
「おう、柚子おはよう。」
「もうお兄ちゃんダメだよ! いつもこんな時間ギリギリに起きてちゃ!」
「悪い悪い、でも柚子が毎朝起こしてくれるから、大丈夫だろ?」
………それにしても、こいつはなんで毎朝こんな時間ピッタリに起きられるんだ?
………まさか...体内にコンピューターでも仕込んでんのか? コンピューター妹………恐るべし……
全く反省していない俺の態度を見て妹は少し膨れた顔をしていた。
「む~~それはそれで嬉しいけど…… まあ、とりあえず朝ごはん作るから、お兄ちゃんも急いで支度してね!」
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