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「ーにいちゃん………お兄ちゃ~ん?」
俺が妹のことを考えていると、当の本人はそんなことはつゆ知らず会話が上の空の俺にしびれを切らしたようで、少しむくれながらも話しかけてきた。
「……うん? ああ、悪い 何だっけ?」
「なにぼ~っとしてるの?」
「いや、今更だけど良かったのか?」
「え? 何が?」
「何って柚子の高校のことだけど、お前もっといい学校行けただろ?」
「だ~か~ら、 何度も言ってるじゃん、私はお兄ちゃんがいてくれれば、それでいいの!」
「お前なあ……」
その時「ドタドタドタ」という音を立て、こちらに迫って来る一人の男が目に映る
「おっ二人さ~~~ん!!! な~に朝から暗い顔してんだい?おっ柚子ちゃん今日も可愛いね~」
「もう~ 知也さんからかわないで下さいよ~」
この明らかに頭のネジが外れてそうな軽い男の名は、
外崎 知也 俺たちとは中1からの付き合いのある腐れ縁だ。
「おう、おはようトッポ、今日もアホさ加減に磨きをかけてきたな。」
「ひっで~~それが大親友にかける言葉かよ~?あとそのあだ名いい加減やめろよ~! 何だ?俺の頭には脳みそじゃなく最後までチョコたっぷりとでも言いたいのか?」
こいつには中2の時好きだった女子にポッキーゲームならぬ、トッポゲームを強要し続けたため、その女子に泣かれた挙句先生にチクられ、一日中土下座しながら謝罪し続けた。
というエピソードがあり、それ以降あだ名がトッポなのである。
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