First Memory 「追憶の代償」

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俺の名前は石花海 桐葉 (せのうみ きりは) この春から私立皇陵学園二年に進学した、しがない高校生だ。 高校生と言っても、授業などまともに受けたことなどなく 得意科目といえば、体育くらい…という所謂「落ちこぼれ」って奴だ。 顔は...まあ可もなく不可もなくといった感じだ...と、思いたい... 一方で妹、石花海 柚子 (せのうみ ゆず) の方はと言うと……… 一体誰に似たんだか…成績優秀で地元、いや県内の高校ならどこでも入れるであろう頭脳を持ち、容姿は…栗色のパーマがかった髪にぱっちりとした目、そして年不相応なこの胸……… そして時折見せるとびっきりの笑顔、これは一回見たら男なら誰でも落ちるだろう… 俺が保証する、妹でなければ、告白している。 おっとついつい本音が… 特に料理に関しては、俺がミシュランの審査員なら五つ星をあげてもいいレベルだ。 しかし、そんな「才色兼備」の妹にも欠点がある……… それは何かと言うと………妹はとんでもない“ブラコン”なのである。 ブラコンというのは、俺のことが好きでたまらない、兄妹という関係を無視してしまいかねない……という程の一種の病気(だと俺は思っている) ブラコンであるがゆえ、県内トップの進学率を誇る学校を蹴ってまで、俺と同じ高校に進学したのである………
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