3人が本棚に入れています
本棚に追加
そうして二人はゆっくりと、露天風呂の方へ向かおうとしていました。
「いや…ちょっと」
「…………」
「玉職人がいます玉職人が」
「早くいけよ!」
少しふざけながら向かうと、そこにはメガネのレンズを喰わえた黒い猫が一匹いました。
「あれです。あれが俺のメガネのレンズです」
「よーしとっとと捕まえて成仏してくれよ」
ゆっくりゆっくりと、猫との距離を詰めていった三村君は、ついにあと一歩のところまで近づくことに成功しました。
「よーし大人しくしててくれよ」
「ヘックシュ!」
「だから幽霊じゃないのかよ!」
「湯冷めしちゃって」
「いいよもう」
そして幽霊の方を見ていた三村君は、猫の方へ身体を向き直すと、猫は既に逃げてました。
「逃げちゃったじゃん、もうー」
「冬なのにホラーです」
最初のコメントを投稿しよう!