3人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや~なんか小便行きたくなっちゃった。しっかし赴きのある旅館だな~」
正月の羽休みに田舎の旅館に温泉に浸かりにきた三村君。
なんでもこの辺りでは、夜な夜なフラフラとしながら、メガネをクイッと持ち上げる幽霊が出るといういい伝えがありました。
「ここかトイレはよいっしょ」
ガチャ
「おおっなんだよ!入ってるのかよ」
「ああ、俺です」
「知らねーよ。誰だよ。おまえ」
「幽霊です」
「幽霊かよ。普通過ぎるだろ。なんでトイレにいるんだよ。」
「匂いに誘われて」
「ハエかよ!」
トイレの戸を開けるとそこには噂の幽霊がいました。
なにやら様子のおかしい幽霊に三村君は成仏させてあげようと話し始めました。
「で、なんで成仏出来ないの?」
「メガネのレンズを無くしちゃって」
「伊達メガネじゃなかったのかよ」
すると男はメガネのレンズの無いところに指を突っ込んでみせました。
「いいから。それでどこか心当たりは?」
「全くありません」
「なんでトイレに居たんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!