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      *       「なに?また竜行さんがどっかで人質にされたの?」 「よっちゃんが進化した!」 「戌が遂に骨折。」 「ひどっ!」 「戌が遂に退部。」 「ちょ、善村さんまで!」 「そんな事より、何がニュースなの?」 「新入りが来た、らしい。」 一斉に湧き上がる喜びの歓声。俺も負けずに腹から声を出す。 でも、なぜか、矯に怒鳴られた。 お前の方がうるさいしー。 チャンスとばかりに、 今の今まで一緒に騒いでいた仲間は、手の平を返したように 矯と同じことを俺に笑顔で言い寄る。 悔しいから、矯の背中に回り、 「いけ、キョウチュー!奴らに100万ボルト!」 「お前にアイアンテール。」 トレーナーに刃向う前代未聞の瞬間。 見事に脳のど真ん中にチョップが入り、 頭を抱え、崩れる俺ぇ~♪ いつもの如く、 善村さんが走り寄ってきて、 傷をフーフーしてくれるのだが、 髪が顔に当たってきて、かゆいだけさぁ~♪ 「と、いう事で。」 いつものように、俺を置き去りに話が進んでいく。 善村さんは、 ただ、 ただ、 フーフーしてくれる。それが、逆に、切にゃい……。 「な、泣くな!舞香が傍にいるよ!」 よしよし、と撫でられる。 しなやかな手で、撫でられる。 フーフーしながら、撫でられる。 床の汚れを雑巾でおとすようにゴシゴシと拭か…撫でられる。 噴水のように涙が流れる事ってありえない、と思ってた。
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