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「『秋空荘恒例 新入りさんにピンポンダッシュ』今年は誰が勇者になるかゲェ~ムゥ~!」
楽しそうな声…てぇえ!?
これは大変態(たいへんたい)だ!
体を急いで起こし、
善村さんの手を引っ張り
輪に入り込む。
「戌、今のアクロバットみたいでかっこ良かった!」
ブラボー、
と拍手を頂き、お辞儀をする。
いやいや、はははは。
「ナルシスト。」
典志っちの攻撃!
5のダメージ
「さりげに手握るとか、痴漢。
善村さん、こいつ、褒めると縮むから。」
戯沢さんの攻撃!
10のダメージ+独特の恐さで5の精神的ダメージ
俺と善村さんの手を引きちぎる戯沢さんに、
何か言おうと口を開いた時、
ギロッと睨み、
善村さんを優しく突き離し、
その逆の腕力で俺の手首を引き、
ふらついた俺の耳元に、そっと耳打ち。
パーカーの、正面だけでも十ケタあるような目のアップリケ。
地布に刻まれている、
少し赤くなっているリアルな目が、
いつもより5倍鋭く見えた。
蛇に睨まれたカエル状態になる事ってありえない、と思ってた。
「じゃぁ、クジ始めるぞー。早くしないと勇者になるぞー。」
戯沢さんの眼から解放された体。
ドッと汗が背中を中心に湧きあげってくる。
心臓を圧迫されていた
…深く息を吐く。
自由ってすばらしい!!矯、感謝するぞよそうだよな、お前は昔から俺がピンチな時は、助け舟をくれたよな空気の読める漢ベスト1になれよそうだ、おまえを今度知り合いに提案してみようかなおお、なんて良い考えだ!場所はそうだなぁ…あ、あそこのホールはどうだろうか嗚呼なんてGOODな考えだうんうん俺って天才天災秀才だなぁ神をもひれ伏すこの頭脳!ではそうだなぁ…あ、あのデレクターなら乗っていやでもあいつケチンボだしな、どうしよう、あ、あいつな
「戌が不参加のようなので、罰として、勇者は今年も戌に決定―!」
「…わぉん!!?」
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